先日、テレビを見ていると、
ある番組の中で、ゲストの方が、
「最近の若者は見返りを求める人が多い。そのようなことでは自分を見失ってしまうのではないか・・・・」というような趣旨の発言をされていました。
この発言を聞いて素晴らしい発言だと感銘を受けました。
なぜそのように思ったかと言えば、
私たち僧侶が人に伝えなければならない内容だからです。
この発言は仏教でいうところの「布施」について言われた内容だったのです。
「布施」とは一言でいうならば見返りを求めないという内容になるからです。
一般的に使われる「布施」はお葬式とか法事などのお寺さんにお願いして、そのお礼を持っていくときに「お布施」を持っていくといいますが、そのような言葉の使い方を日常的におこないます。
しかし、「布施」という言葉のルーツを探ってみると、
「布施」の「布」は布(し)くという意味合いがあります。
「施(ほどこし)を布く」という意味合いがあり、
施しを布くことを布施というのです。
「布施」には2つの「布施」があります。
一つは精神的な施し、もう一つは物質的な施しです。
門信徒の人々が、お寺さんに精神的な施しで生きる喜びを与えられ、
そのお返しとしてお寺さんに物質的な施しをお寺さんに返し双方の関係が成り立っているといえるでしょう」。